木と漆喰にこだわる、大工と左官の職人プロジェクトチームです

2020年10月06日

和室の天井

前回は和室の小部屋の、施工事例紹介でしたね
それにちなんで
最近では少なくなってきた和室の、
天井についてご紹介したいと思います。

通常は長尺底目天井、竿縁天井、小幅板貼、が
オーソドックスな天井になります。

家を建.jpg

弊社では和室の天井にこだわって仕上げた
物件がいくつもあり、
他にはない個性的な仕上がりになっています。

DSC_0037.JPG
M邸 葺き寄せ竿縁の間に萩を仕込んだ天井
   壁は淡路土の現代糊土仕上げ

DSC_0072.JPG
I邸 真ん中に網代を入れ45度に井桁組みした竿縁に
   長尺底目天井を張った天井
   かなり気に入ってます。
DSC_2908.JPG
A邸 真ん中に丸太を仕込み網代の天井板を
   アーチ状に貼った天井
   
   旅館のスィートのような部屋で
   旅行に行かなくても毎日楽しんでいます (住まい手の声)
DSC_4278.JPG
T邸 船底天井の続き間 真ん中2本はサクラの貼丸太
   間は杉の中杢、斜めの板は葭の底目天井板
   
   お客さんが多いこのお宅は、
   続き間にして広々空間
DSC06969.jpg
M邸  構造材の梁を見せ、杉の厚板貼りの天井
    どっしりとした、構造美で落ち着いた佇まい

DSC_1594.JPG
M邸  葺き寄せ竿縁をアーチ状に絞り
    網代を張った天井
    これも珍しい形です。

DSC_0006.JPG 
T邸  木摺りの化粧仕上げの天井 間接照明
    かなり冒険しましたが
    夜は抜群にいい雰囲気になります。  
   
まだまだたくさんありますが、

これらの天井は、大工が住まい手に提案し
挑戦させて頂いたものばかり、
こんな仕事をやってみたいと
熱意をもって提案することで
住まい手にも喜んで頂き実現できました。

なぜ天井かというと、
物を置いて隠れることがまずないですよね、
寝っ転がると目に入ってくる、いつまでも、

だから、気を抜けない
大工の技能向上にもなりますし。
デザイン力を付ける意味合いもあります

造り手は挑戦させてもらうから安めに施工、仕事が残る
住まい手にとっては、オンリーワンの仕上がりになり満足

WINWINな関係でみんなハッピー(^▽^)/

posted by ueda at 07:00| Comment(0) | 大工のしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月05日

10年前の仕事を思い出しました

昨日は新築後ちょうど10年を迎えたお宅にお邪魔してきました。

訪問理由は火災警報機の交換に

なんと、電池式の火災警報器が
1時間に4台、電池切れのお知らせ音が鳴り始めたそうで
テレワーク中だったので、いろいろと大変だったみたいです(^_^;)

4台もほぼ同時にタイミングよく電池切れになるとは
珍しいこともあるもんですね

交換作業30分、世間話3時間と
つい時間のたつのを忘れ長居してしまいました(^_^;)

10年前、僕は33才
そのころは大工仕事もまだ、できていたころでした

一人で籠れる部屋、気持ちよく昼寝ができる部屋、
畳(フチなし)の部屋が欲しいとのことでオーダーを頂き

3畳の和室をかなりこだわって造らせて頂いたのを覚えています。
20201004_132718.jpg
赤土の引きずり仕上げの壁が、そのまま天井に繋がっているデザインで
下地は木摺りで、赤土の一部を塗らずに木摺りを見せ
そこに間接照明を仕込んでいます。

木摺りの裏、間接照明部分も照明が付くと見えるので
下地材にこげ茶色の色粉を混ぜて塗って仕上げにしたり

壁の穴?の形もいろいろと書いてみて
この形で、ここまで塗ってと左官さんに指示したり

DSCN4975.JPG
下の和紙張りの建具は 
奥様の好きなサクラの形の光が
透過するように作っています。

自分でサクラ形を切りぬいた板を
建具屋さんに持っていき造ってもらいました

一部下地が見えるデザインなので
下地の木摺りは綺麗に加工して
壁の表情は荒さを出してもらい
下地と仕上げの境界を近づける工夫をしたり

DSCN4979.JPGDSC_0691.jpg
給気口には、建具と同じ和紙を自分で貼ってみたりと、

細部までこだわり抜いて施工しました
めちゃくちゃ想いが入って楽しかったのを今でも覚えています。

DSCN4974.JPG

懐かしい思い出話をしながら
「10年経ったけど、直したい所もないし、変えたいとも思ったことがない」
「気に入ってます、
テレワークもこの家があったから、ストレス少なくやれている」
メッチャうれしい言葉までいただいて

10年経ってもこうして修理など呼んでいただけることや
久しぶりにゆっくりお話しできたのも嬉しくて
とっても気持ちの良い日曜日になりました。

DSC_0624.jpg


posted by ueda at 07:00| Comment(0) | 大工のしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月09日

大工の能力

先日、栃木の宮大工さんとお話する機会がありました。
その中で印象的だった言葉があります、

その宮大工さんが目指すべき姿として
「仕掛けられる大工になれ」と云う言葉を大事にしているとのこと、

この言葉は「現代棟梁 田中文男」という本に書かれている
(「西の西岡、東の田中」と呼ばれるほど、有名な大工の著書)

そこには大工の仕事は能力に応じて8階級に分かれると書かれていて

1、大工としての基本的な技能を持っているか

2、自分の仕事だけでなく、後輩や同僚の仕事の面倒を見てやれるか

3、下職の手配をしてそいつらの面倒を見てやれるか
  
4、仕事の段取りには工期と材料と人の問題があるこれを手配できるか

5、自分でやった仕事、あるいは人に頼んでやった仕事が指示通りに出来上がり
  お客さんに文句を言われずにお金をもらえるか

6、頂いた金を仕事をやってくれた人に払って再生産できるだけ自分に残るか

7、今の仕事も見ながら次の仕事の段取りができるか

8、仕事を仕掛けられるか
売り手じゃ損、買い手に回らなければ
わざわざ頼みに来られるようになれ
つまり売り手が買い手にどれだけ仕掛けられるかということ
DSC_1577.JPG

深い、あまりにも深すぎる言葉、 
あらためて読むと、一つ一つが胸に刺さりますね
この言葉は大工の八階級ですが
他業種でも関係なく言えることのように思えます。

宮大工さん熱いです、凄いです、素敵です。
自分は屋大工として、現場は離れているけど
自分がどの位置にいるのか再認識して
また頑張っていこうと思える夜でした、
ありがとうございました。


引用 INAXBOOKLET 現代棟梁 田中文男 より

posted by ueda at 12:00| Comment(0) | 大工のしごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする